妊娠のための栄養「脂質」2~オメガ3、6、9~

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こんにちは、はる(@haru_nutriology)です。前回、脂質が妊娠に以いかに重要であるか概要を述べました。

今回はそもそも脂質にはどんな種類があるのか。何を取り、何を取らないべきなのか見ていきます。

この記事によって、自分が何のためにどの脂質を取るのかがわかるようになります。

結論

①オメガ3系の青魚を積極的に取る

②オメガ9系のナッツ、アボガドを取り、調理油は酸化しにくいオリーブオイルを使用

③オメガ6系を避けるため、揚げ物(酸化油)・安いお菓子(マーガリン・ショートニング等)を食べない。

脂質の種類

では、さっそく「あぶら」の分類から見ていきましょう。

油脂

「油」とはオリーブオイル、サラダ油、ごま油など、氵(さんずい)がついていることから液体と分かります。

「脂」とは豚の脂、皮脂、牛脂など 月(月編)は体を表すことから、動物系の脂肪です。豚の白身、牛の霜降りなどは固体ですよね。

この2つの液体と固体をまとめて「油脂」といいます。

中性脂肪、脂肪酸

ここで、よく聞く中性脂肪の意味ですが、酸とアルカリの正反対の性質の物質が合体して安定している、というのが「中性」の意味です。プラスとマイナスが合わさって0、という感覚でしょうか。下図のようにアルカリがグリセリン、酸が脂肪酸に対応します。

筆者作成

グリセリンは脂肪酸がくっつく土台のようなものです。グリセリンのOH部分に脂肪酸がくっつくので、1つのグリセリンに対し3つの脂肪酸がつくことになります。

中性化に伴い、脂肪酸の名称から「酸」が取れて「(中性)脂肪」となります。

筆者作成

脂質と脂肪の違い

上記の(中性)脂肪に水分、リン脂質などが加わったのがいわゆる「体脂肪」です。

「脂質」とは中性脂肪、体脂肪、コレステロールなどあぶらの仲間の総称です。

「○質」は糖質、タンパク質など、そのなかにいろんな物質があるグループを表すものですよね。

オメガ(ω)脂肪酸

さて、脂肪酸は長さ(炭素の数)、結合具合によって多様であり、これが体にとって有益となるか否かの分かれ目となります。

炭素の数はだいたい20前後です。ここに普通の結合よりもしっかりとくっついている「二重結合」という部分があるかどうかで、さらに種類が分かれます。

この二重結合が端っこの炭素(オメガ位という)から数えて何番目にあるかで、ω(オメガ)3,6,9と分かれます。

下の例ならω位置から数えて6番目に二重結合があるので、「ω6系脂肪酸」となります。

筆者作成

摂るべき脂質

ω3系脂肪酸

真っ先に摂るべき脂肪酸はω (オメガ) 3脂肪酸です。

ω3なので脂肪酸の端っこの炭素から数えて3番目の炭素に二重結合があります。

青魚(サバ、ブリ、サンマ、イワシなど)に含まれるDHAやEPA、αリノレン酸、えごま油、亜麻仁油などのいわゆる良質の脂肪がこの部類で、炎症抑制、ホルモンの微調整等の大事な役割があります。

ただし優先順位は 青魚(DHA・EPA)>>>>>>えごま油・亜麻仁油(αリノレン酸) です。

体が求める脂肪酸はDHA、EPAです。これは体内でαリノレン酸から変換されるので、 αリノレン酸 を多く含むえごま油・亜麻仁油が推奨されるのですが、DHA・EPAへの変換率が極端に悪く(10~15%)、そのうえ変換の過程でATPやビタミンを消費します。それならば最初からDHA、EPAとして取れば無駄なエネルギーやビタミンの消費がなくなります。

ω9系脂肪酸

次に重視すべきはω (オメガ) 9系脂肪酸です。

ω9なので脂肪酸の端っこの炭素から数えて9番目の炭素に二重結合があります。

オリーブオイル、ナッツ類、アボガドなどに多く含まれ、炎症抑制作用があります。

ただし、 ω9系は体内で合成できるために必須の栄養とまでは位置づけられていません。

しかし、ω3も次に示すω6系も加熱すると酸化しやすいという弱点があるのに対し、唯一熱に強いという圧倒的優位があります。

揚げ物の油も含めて調理はオリーブ油にしたほうがよいでしょう。

控えるべき脂質

ω6系脂肪酸

積極的にとるべきω3やω9とは反対に、控えるべきなのがω6系脂肪酸です。

もちろん、脂肪酸の端っこの炭素(=ω炭素)から数えて6番目の炭素に二重結合があるのでω6です。

これはマーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、植物油脂(大豆油、ナタネ油、パーム油など)のようないわゆる安価な油に多いものです。

体に必要ではあるものの、少量で足りるのでω6系は取りすぎると炎症を促進させます。

ここで注意しなくてはならないのが、普通に生活してるとすぐにω6過剰になるということです。

安さを重視して以下のようなものを選んでいませんか?

(例)

・安いパンや洋菓子

→マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、植物油脂多量

→ ω6過剰

・安い揚げ物

→大豆油、ナタネ油、ひまわり油等

→ ω6過剰

※しかも何度も加熱して酸化している

・キャノーラ油のような安い油での調理

→ω6過剰  

どうでしょう。簡単に安く摂取できるものは、ほとんどω6系です。

生活コストを下げる代償が、将来の健康との引き換えではあんまりではありませんか。

薄利多売の企業のカロリーしかないものを食べて、「〇〇春のパン祭り」などと言っている場合ではありませんね。

具体的な対策は簡単

同じ製品で高いものと安いものがあった時、安いものはニセモノ(加工と安い原料)、高いものは生産者の手間とこだわりが詰まっているホンモノです。

ホンモノの良質の美味しいものを選んでください。

値段の高さは自分と子供、家族の健康を守る保険料です。

高い保険金をかけても健康になりませんが、毎日の食事内容にお金をかければ健康になります。

自分で口に入れたものからしか、自分の体は構成されません。

また、ω3:ω6=1:4となるよう摂取しようなどと理想が言われますが、そんな比率を毎日毎日計算なんてできません。

・サラダ油調理→オリーブオイル調理に

・安いパン・洋菓子→バター、生クリームをたっぷり使用したおいしいものに

※良いものは成分表示の最初にこれらが表記されています。

・サバ缶など活用し、青魚をたくさん食べる。食べれないならEPA・DHAサプリで補う

これだけで十分すぎるかと思います。

コメント

  1. […] […]

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