妊娠のための栄養「脂質」1~大量のエネルギー源とホルモン材料~

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 こんにちは。夫婦でニュートリロジー(高タンパク・メガビタミン)を実践している、はる(@haru_nutoriology)と言います。

2年の妊活で子供が出来なかった私達ですが、 栄養療法に取り組み、 妻が38歳の時に、元気な赤ちゃんを生んでくれました。

この経験から妊娠に必要な栄養を発信しているわけですが、今回からタンパク質とビタミンに加え、健康な妊娠・出産に必要な「脂質」について取り上げていきたいと思います。

脂質が妊娠に必要である理由は次の2つです。

① 妊娠、胎児の育成に必要な大量のエネルギーを供給してくれる

② 妊娠に必要なホルモンや細胞の主要な構成材料である

脂質は 妊娠、胎児の育成に必要な大量のエネルギーを供給してくれる

脂質は2番目に重要な三大栄養素

 妊娠に最も重要な三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)はなにか。このブログを読んでいただいている方にとっては真っ先に「タンパク質」と答えられるでしょう。

では、次に大事な栄養素は何かというと「脂質」です。糖質ではありません。

妊娠という生命の発生にはなぜ、糖質でなく、脂質なのか。生化学や進化人類学を踏まえ、解説していきたいと思います。

エネルギーの発生には脂質が最も効率的

 生命がその活動を維持するにはエネルギーが必要です。

なぜ、エネルギーが必要なのかといえば、細胞の複製・修復、食物の消化吸収、免疫活動、筋肉の収縮、脳の神経伝達等すべての体内の代謝活動は、何の対価もなく自動的に行われる訳ではなく、必ずエネルギーを対価として活動を進行させるからです。

そのエネルギーはATP(Adenosine Tri Phosphate、※ アデニン[ Adenine ]に 3つ[Tri]のリン酸[Phosphate]がついた物質)が採用されています。

つまり、ATPをより多く作れることが怪我や病気からの早期回復(細胞の複製・修復、免疫活動)、健康な生活(運動時の筋肉の収縮、 脳の神経伝達 )に繋がります。

エネルギーに満ちあふれている、元気いっぱいというのは、ATPがたくさんあり、どんな代謝も速やかに遂行できるということに他なりません。

このATPは糖質からも脂質からも作られますが、

脂質は糖質の数十倍のATPを作ることができます。

炭水化物の例:ブドウ糖1分子→ATP2分子

脂質の例:パルミチン酸1分子→ATP106分子

※「ストライヤー生化学」より

妊娠は自分以外の生命を作り出すことですから、当然たくさんのエネルギー(ATP)が必要です。

ごはんやパンなどの糖質をたくさん食べてエネルギーを蓄えようと思っても、食べれる量には限界がありますから、妊娠のためのエネルギーを考えたときに脂質が有利なことは自明です。

脂質は妊娠に必要なホルモンや細胞の主要な構成材料である

脂質はタンパク質と並んで人体を作る主役

 例えば卵の成分を考えてみましょう。卵は雛になるための、生命となるための材料ですが、ほとんどタンパク質と脂質のみで構成されます。

つまり、卵が雛となるためにはタンパク質(卵白)と脂質(卵黄)が重要であり、エネルギーは脂質を使っており、糖質はほとんどゼロでよいのです。

卵と人は違うだろうと思う方もいるでしょうが、生物の代謝機構や臓器の構成はかなりの部分で共通しています。

実際に、人体の構成成分はどうでしょうか。下図は水分を除いた卵と人体の栄養構成比較です。

人体も同様にタンパク質と脂質から出来上がっているのがわかります。

糖質はほとんどありません。また、人のミネラルが卵に比べ若干多いのは、カルシウム等のミネラル貯蔵庫である骨格のためです。

なぜ、脂質の成分比がこんなに多いのでしょうか。それは人の最小単位が細胞であることから分かります。

人体の60%以上は水分ですが、液体が人のような形をなぜ保っていられるかといえば、細胞膜によって水分を仕切っているからです。

この細胞膜は主に脂質から出来ているため、油と水が交わらない原理を利用して形を保っています。

そして、人体は37兆個ともいわれる膨大な数の細胞で成り立っているため、タンパク質と並んで人体の構成成分の主役となっているのです。

女性ホルモンも脂質から出来る

 ホルモンにはアミノ酸を主とするものの他に、脂質を主とするものがあります。

妊活をしている女性は誰でも聞いたことがあるであろう、エストロゲン、プロゲステロンなどは妊娠に必須な女性ホルモンでいずれも脂質から作られます。

生理周期もこれらのホルモンで決まるため、脂質(主にコレステロール)を極端に抑えたダイエットをした女性ではホルモンを作るための脂質が不足して生理が止まることがあります。

これらの事実からして脂質が妊娠にいかに重要か分かっていただけたかと思います。

人は肌を見て健康状態を察する

 人が相手の印象を見るとき、顔色が悪い、肌が荒れてるなどと言いますが、それは人体の構成成分のうち、表面をみて判断していることとなります。

表面から多くの情報を読み取ることは人類史的にも非常に有利でした。

古来より、人類の目的は他の生物と同様に生殖して自己の遺伝子を拡散することであり、より健康的な母体を見つけることは生存戦略の要です。

そのような状況の中、多くの男性の好みとして、(大昔の女性が憧れたパリコレモデルのような)ガリガリな女性より、少し丸みのある女性のほうが好みなのは、脂質がある方が妊娠に有利で子孫を残しやすいことが理由としてあるでしょう。

スタイルの良い理想像として知られるボン、キュ、ボンとした体型は

・胸が大きい=胸腺が発達し、母乳を子供に多く与えられる

・プリッとしたお尻=子供に必要な脂肪酸のオメガ3系をたくさん蓄えている

といった推論があります。

また、男性もガリガリか太っているかの二択であれば太っている方が男性ホルモンが多くなり、魅力があるようです。

お相撲さんの奥さんが美人揃いなのもそういった理由かもしれません。(脂肪の重要性を示す例です。相撲取りでも金持ちでもないのに太るのは自堕落と見なされむしろマイナスでしょう)

また、きれいな肌は感染症などの病気にかかっておらず、健康であることを示す目印となり、医療が発達しておらず、感染症の罹患が致命的であった古代の人類にとって貴重な情報でした。

異性の好みというのはすべて子孫を残す生存戦略によるものであるのかも知れません。

 このように妊娠において大変重要な役割を担う脂質ですが、糖質は取らなくてよいのか、また、どの様な脂質を取ればよいのかなどは次回以降へと続きます。

コメント

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  2. […] […]

  3. […] 卵は生命へと変わる栄養の塊で、人体もほぼ同じ比率だということを以前に確認しました。 […]

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