こんにちは、はる(@haru_nutriology)です。
これより記す内容は妊娠を希望する人全員に極めて重要です。
ニュートリオロジーとは栄養素(ニュートリション)を分子レベルで考え、論理(ロジック)を持って摂取することであり、三石巌先生が提唱した概念です 。
その根幹は高タンパク、メガビタミンであり、私はこれが最も妊娠に必要な要素だと考えます。理由は次の3つです。
1 不妊の根本解決をする唯一の方法
2 費用が安く簡単に誰でも実践できる
3 胎児の成長と出産、産後の全ての期間に栄養は必要
不妊の根本解決をする唯一の方法
人体の構成材料はタンパク質・必須脂肪酸・ビタミン・ミネラル
なぜ、妊娠のために高タンパク・メガビタミンなのか。
それは「人体を構成する成分」がタンパク質・必須脂肪酸から成り立ち、
生命活動を維持するのに必要な「代謝」にビタミン・ミネラルが必須だからです。
妊娠も新たに人体を構成する作業なのだから、当然この栄養が必要です。
しかし、不妊体質の場合は妊娠に関するいずれかの部位が材料不足により不調となっている可能性が高い。飛行機、車やスマートフォンなどで、調子が悪くなったら悪い部品を交換します。
人体において、その交換する部品の材料は共通して高タンパク・メガビタミンであり、足りなければ交換できないために不調は不調のまま治らない。
ただし、人体が飛行機、車、スマートフォンなどと違うところは、悪い部分を治す工場や作業員が自己の中に存在するという点です。
その作業員は細胞や酵素達であり、材料を存分に体内に満たせば、たちまち不調を治してくれます。
また、作業員である細胞や酵素たちも上記のタンパク質等から成り立っています。
不妊の原因は体質と栄養不足にある
例えば不妊の原因の一つに黄体形成ホルモン分泌の低下にあったとします。
黄体形成ホルモンは排卵に必要なホルモンのひとつであり、脳下垂体から放出され、子宮内の卵胞に届くことによって排卵が起こる。排卵の過程は以下のとおりです。
このような過程をふまえ、黄体ホルモン分泌が低下している原因が次の2つだとしましょう。
①ホルモンを作る材料が少ない
②ホルモンが作られてはいるが、卵胞までの血管が細く、子宮まで十分に届かない
どうすればこれらを改善できるのか。もちろん、材料をしっかりと揃えてあげることです。
黄体形成ホルモンの構成材料はアミノ酸。アミノ酸の集合体がタンパク質ということは以前説明しました。
血管壁の構成材料はコラーゲン。コラーゲンの和訳は膠原であり、膠すなわち、煮るとゼラチンとなるもので主成分はタンパク質。そしてコラーゲンの合成にはビタミンCが要求されます。
よって
①ではタンパク質
②ではタンパクとビタミンC
が必要となります。また、血流を改善する作用はビタミンEにあるため、
タンパク質、ビタミンC、ビタミンE
が豊富に存在するとホルモン合成がスムーズに行われ、血管壁と血流も改善され、ホルモンは無事に卵胞へとたどり着く。
つまり、本来あるべき機能が回復されています。
私達の身体は私達が考えている以上に驚くほど合目的に働き、不調部分の治し方は私達のDNAにもともと記憶されています。
高タンパク・メガビタミンにて身体が正常に代謝を行うことを助けることこそ、唯一の根本解決法であり、もっとも自然な考え方ではないでしょうか。
薬剤は一時しのぎでしかない
これが排卵誘発剤だと排卵だけを目的としているため、通常一つしか出ない卵子が過剰に排出されて多胎妊娠(双子、または三つ子以上)となる可能性があります。
2人も赤ちゃんを授かれてラッキーと思ってはいけません。
これは胎児への栄養供給の必要量が2倍以上になることを意味しています。
もし、子宮への血管が細く、栄養が子宮に行き届きにくいような体質が原因で不妊となっているのであれば、胎児への栄養は行き届きにくい上に双子なら1人あたりに母体から届く栄養が半分となってしまいます。
健康な発育に支障をきたす恐れがある上に、母体の負担もあまりにも大きいです。
体質の根本改善に勝る手段はありません。
費用が安く簡単に誰でも実践できる
以上のことから、本来あるべき機能を回復させるニュートリオロジーによる栄養摂取方法が最も有効であると考えるわけですが、ニュートリオロジー実践の費用も格段に安いです。
例えば不妊撃退の栄養シリーズのサプリを奮発して全て購入しても月に8,000円程度の出費になるだけです。
最優先で始めるべきタンパク質、ビタミンC、ビタミンEの3つでは4,400円程です。
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さらに、サプリメントは食後に飲むだけなので手間もかからない。人工授精の1万円、体外受精の数十万円+通院の時間や診察の治療費等と比べて取り掛かりやすさがまるで違います。(なぜ不妊治療が保険適用外なのか理解に苦しむ)
胎児の成長と出産、産後の全ての期間に栄養は必要
誤解をされると悪いので言及しますが、不妊治療を否定している訳ではありません。
「栄養か治療か」の二者択一ではなく、不妊治療を行うにしても、栄養を十分量摂取するのが大前提だということです。
高タンパクは薬剤の代謝酵素阻害という副作用を軽減し、治療効果を高めてくれます。
私達夫婦もまた、不妊治療クリニックに通い、精子検査やタイミング療法のアドバイスなど大変お世話になりました。
しかし、排卵も受精卵の着床と成熟も、妊娠から出産までのほんの一部に過ぎず、妊娠のはじめだけ上手く行ったとしても、母体の健康レベルが上がっていなければ、十月十日という長い胎児の成長過程で支障をきたすかもしれません。
事実、多くの女性が妊娠が発覚してから栄養を気にし出すが、ビタミンB群の一つの葉酸については、
葉酸の不足で起こる脳の神経管閉鎖障害は受精から3週間程度の神経管形成期に生じる可能性1)
が指摘されています。この期間では妊娠に気づかず過ごすこともありますし、妊娠前からの栄養摂取を心がけたいところです。
他にも栄養と妊娠に関する事項は数多く存在します。
・ナイアシン(ビタミンB3)は流産や胎児の先天異常を大幅に減らす2)
・タンパク質の豊富な摂取と糖質制限により精子の質及び数が改善する 3)
・EPA・DHAの不足は早産あるいは低出生体重児出産のリスクを高める 4)
・母親にビタミンDの不足があると、胎児のビタミンD血中濃度が低下し、くる病(骨格異常)となる5)
・出産時にビタミンC10gを精注すると、分娩時間が短縮がされ、苦痛が少なく事故の発生を見ない 6)
・ビタミンE400~800IUの摂取により月経の経血量を減らすことができる 7)
これらのことから、妊娠するためだけでなく、子供を無事出産するまで、そして出産後の授乳により豊富な栄養を新生児に提供するためにも、ニュートリオロジーは単目的ではなく、長期に渡る生活の一部として実践するべきです。
なかなか栄養を生活に取り入れられない方へ
どんなに優れた手法も実践しなければ何の効果ももたらしません。
繰り返すが、妊娠のための高タンパク・メガビタミンは
何よりも最も効果が高く
かつ安価で
実践が容易
です。このブログは「真に」子供が欲しい、子供を想う人へ向けて執筆しています。
厳しい言い方をすると、簡単に自分の意志で始められる栄養にすら手をつけずに何ができるのでしょうか。
本ブログは過去の偉人の叡智をわかりやすく伝えることを目的としていますが、正確な情報提供のために、どうしても難しい内容を含みます。
しかし、子供に関する勉強はするべきです。あなたが健康な子供を授かる知識を得るためなら、協力を惜しみません。
本章を読み終えた時、すぐに行動してもらうことを切望します。
あなたは「妊娠」だけが目的なのか、それとも「健康な子供を育てる」ことが目的なのか。
親の栄養摂取が子供の成長に影響するのであるから、子育ては妊娠を考えた時、まさに今から始まっています。
最後に、アメリカの分子整合医学の権威、エイブラム・ホッファー博士の言葉を述べます。
栄養学療法は効果的であり、副作用がなく、しかも安価である、ということが分かるだろう。第一に克服すべきは、何であれ安くて安全なものなど効くはずがない、という古い思い込みである。
エイブラム・ホッファー&アンドリュー・W・ソウル「オーソモレキュラー医学入門」より
1)平岡 真実,次世代を担う皆さんに知って欲しい葉酸の話
2)山本義徳,アスリートのための最新栄養学(下)内の注24,NAD Deficiency,Congential Malformations, and Niacin Supplementation
3)宗田 哲男,産科医が教える赤ちゃんのための妊婦食
4)Olsen SF, Secher NJ. Low consumption of seafood in early pregnancy as a risk factor for preterm delivery: prospective cohort study. BMJ 2002; 324: 447.
5) 津川 尚子,次世代を担う皆さんに知って欲しいビタミンDの話
6)三石 巌,ビタミンC健康法
7) 藤川 徳美,すべての不調は自分で治せる
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