タンパク質がないとビタミンは効果を発揮できない
こんにちは、はる(@haru_nutriology)です。ビタミンが妊娠に非常に大事であることを以前の記事で述べた。
しかし、ビタミンが効果があるのはタンパク質を十分にとっているという前提があってのものである。そもそもビタミンはタンパク質とセットで初めて作用する。
よって、 先に述べた妊娠に関わるビタミンも単体では片手落ちになる。タンパク質は筋肉、骨、皮膚、血管、血液のヘモグロビンなど身体を作るだけでなく、体内の様々な酵素やホルモンの一部もタンパク質からできている。
ビタミンはタンパク質からできた酵素を補う働きをするため「補酵素」と言う。あくまで補うものであるため、タンパク質がなにより最初にくるのだ。
そもそもタンパク質とは
タンパクとは蛋白と書き、これは卵白のことである。タンパク質は卵、肉、魚など動物性の食品や豆に豊富に含まれているものだ。
英訳は「protein(プロテイン)」であり、ギリシャ語のプロテイアス(第1のもの)をもじって名付けられた。人体の構成要素は水分を除いて約70%はタンパク質なのだから「第1」に考えなくてはならない。では、三大栄養素の炭水化物・脂質と何が違うのだろうか。
「炭水化物」の文字を分解してみると、「炭」と「水」の化合物となる。
炭:すみ、炭素、カーボン、元素記号C(Carbon)
水:みず、H2Oであり、水素H(Hydrogen)と酸素O(Oxygen)である。
よって、炭水化物はどんなものもCHOのたった3つの元素から構成される。脂質も同様にCHOである。
タンパク質はこのCHOに窒素N(Nitrogen)が加わる。
- 炭水化物、脂質:C、H、O
- タンパク質:C、H、O、N、(S)
窒素N1つに炭素Cがいくつかくっついた分子化合物をアミン(amine)といい、アミノ酸(amino acid)とは「アミンを持った酸」という意味である。人体を構成するのに必要なアミノ酸は20種類あり、人体で作れるアミノ酸11種類を除いた9種類を、食事から摂取する必要があることから「必須アミノ酸」と呼ぶ。アミノ酸同士は簡単につながることができ、この結合がいくつかあると「ペプチド」、たくさんくっつくと「タンパク質」と名前が変わる。
タンパク質の「質」
よいタンパク質とは何か。脂質であれば、「揚げ物の油は身体に悪い」「オリーブオイル、えごま油などは身体によい」などと、なんとなくイメージがあるのではないか。
タンパク質の「質」はプロテインスコアとよばれるもので評価できる。直訳は「タンパク質の点数」で100点が最高であり、これが高ければ高いほど人体の構成に必要なものが多いということである。
このスコアは必須アミノ酸9種類が、「人体が要求する一定量のタンパク質の何%入っているか」で決まる。
そして、最も低い割合のアミノ酸で点数が制限される。たとえば、 9種類のアミノ酸 から、下記のような具合でスコアが決まる。
アミノ酸①~⑨100 ⇒ スコア100
アミノ酸①~⑦100、⑧90、⑨80 ⇒ スコア80
アミノ酸①~⑦50、⑧100、⑨50 ⇒ スコア50
アミノ酸 ①~⑦100、⑧0、⑨100 ⇒ スコア0
なぜ、最も低いアミノ酸だけで点数が決まるのか。
例えばABCDの4つの部品から作れる製品があったとする。
A、B、Cがそれぞれ100個ずつあるが、Dが50個しかなかったとすると、この製品が作れる数は最も少ない部品のDによって50個となる。
スコアでいえば50。人体もアミノ酸から作られるため、同じでなのである。
ちなみに、100点を叩き出す食品は「卵」である。ほかの一覧は次のようになる。
食品 | プロテインスコア |
卵、しじみ | 100 |
鶏レバー 、 サンマ | 96 |
豚レバー | 94 |
イワシ | 91 |
豚肉、マトン | 90 |
カジキ、アジ | 89 |
白米 | 78 |
ソバ、牛乳 | 74 |
小麦粉・大豆 | 56 |
※山本義徳、「アスリートのための栄養学(上)」より一部抜粋
この表をみると、動物性食品が多いことがわかる。
卵、肉、魚を中心にタンパク質を取らなくてはならないのは、このタンパク質の良質さによる。
妊娠に必要なホルモンも精子もタンパク質
ビタミンCの記事では、排卵には黄体ホルモンと卵胞刺激ホルモンの両方が排出される必要があると言った。
これらのホルモンもタンパク質であり、200個のアミノ酸が繋がったペプチドから成り立っている。
また、精子もそのほとんどがタンパク質からできている。
つまり、「タンパク質の不足が起きれば、妊娠に必要な材料の不足が起きる」ということである。
妊娠に必要な材料を豊富に揃えなくてはならないのは言うまでもない。
さらに、妊婦には通常より多くのタンパク質摂取が要求される。
これは胎児というタンパク質の塊を育てるために、自分の生体を保つ以上に余計にタンパク質が必要だ、という当たり前の話である。
タンパク質の摂取量:体重の1/1000を取ること
日本人の傾向として、欧米に比べてタンパク質の摂取量が足りていない。
ただし、カロリーは足りているため、栄養が足りていないと感じる人は少ないかも知れない。
体重の1/1000は最低でもタンパク質を取りたい。50kgなら50gと言った具合である。
ただし、これは最低であり、より多く、具体的には体重の1.5〜2.0倍gは取りたい。
体重50kgなら75〜100gである。これは肉を100g食べればよいというものではない。
水分と脂質も含まれるため、タンパク質豊富な赤身肉でも100g中、約20gしかタンパク質はとれない。
タンパク質を食品から豊富に摂取するのは少食の人ではさらに難しい。
人類の英知、プロテイン
ここで大きな武器になるのがプロテインドリンクである。
ボディビルダーが筋肉をつけるためのもの、と思われがちだが、プロテインドリンクの原料はただの牛乳であり、タンパク質を濃く精製しただけのものである。
世の中の食品にはタンパク質だけを含むものは存在しないため、プロテインドリンクは効率よくタンパク質を摂取できる唯一のものである。
当然、 プロテインドリンクのプロテインスコアは100である。(100になるように調整されている)これを人類の英知の結晶と呼ぶ精神科医もいる。
ちなみにタンパク質過剰による健康障害は確認されていない。
腎臓病の患者にすらタンパク質がよいという報告があるくらいである。
ビタミンの記事でも副作用がないことを強調したが、タンパク質・ビタミンともに、人体が元来必要としているものは、大量に摂取するメリットは大きいが、デメリットが殆ど無いことが薬との一番の違いではないか。
プロテインも海外製一択
国産のザバスやDNSでも海外の製品でも、タンパク質含有量は80%程であり、ほとんど大差はない。どの製品も付属してるスプーン一杯でタンパク質約20g入っている。
ではなぜ海外のものがよいのか。これもビタミンEの記事での理由と同じく、コストパフォーマンスに優れるからである。
このコストパフォーマンスが圧倒的に高いのが、マイプロテインというイギリスに本社を置く会社である。安く質よく買うならここ一択。頻繁にセールをやっており、ここで買うプロテインは1kgあたり1,500円程度で買える。日本の製品は1kgあたり3,000円程するため、半額で買える。商品名は「 impactホエイプロテイン 」。以下のサイトから買うと、少しだけ安くなる。
または、公式サイトで
を入力するでもよい。
これは私の紹介コードによるので、他のコードを知っていればそちらで全く構わない。
※セール日を狙う、送料や関税の関係等、詳しい買い方は様々な紹介サイトに載っている。わからなければ私まで尋ねて頂きたい。
タンパク質量がわかるのは「あすけん」、「カロリーSlism」
最後にタンパク質量の把握方法を伝える。タンパク質をとろう!といっても、どの食品に何グラム含まれるものなのかわからない。どんな分野でも大体の相場を知ることは大切だ。そこで、食品名を入力すると成分組成を表示してくれる便利なサイトが下記の2つである。
1 あすけん
2 カロリーSlism
好きな方を使って頂きたい。毎食律儀に調べたり、記録したりする必要はないが、普段気にせず食べている食事がどんな成分で成り立っているのか知れるため、とても勉強になる。
一日2杯のプロテインと毎食のタンパク質追加を意識せよ
以上を踏まえ、下記の様な例の食事をあげる
- 起床 プロテイン1杯 P 20g
- 朝食 オムレツ、ヨーグルト、アボガド P15g
- 昼食 魚定食、納豆追加 P20g
- 間食 ゆで卵 P5g
- 夕食 豚の生姜焼き定食 P20g
- 就寝前 プロテイン1杯 P 20g
※P:タンパク質 合計摂取タンパク質量100g
のような食事をすると、タンパク質が100g近く取れる。
- ①一日2回のプロテインドリンク
- ②毎食、豊富なタンパク質を摂取
- ③不足あれば納豆、ゆで卵、ツナ缶等など一皿をプラスアルファ
である。我が家では2種類以上のタンパク質をおかずにいれ、忙しい時はサバ缶を添えるなどして工夫している。
参考にしていただければ幸いである。
コメント
[…] 黄体形成ホルモンの構成材料はアミノ酸であり、アミノ酸の集合体がタンパク質であった。 […]
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